
「生命保険をどうかければ相続対策になるの?」と悩んでいる人もいると思います。
そもそも相続対策は下の3つに分けることが出来ます。
1、節税対策
⇒相続税を抑える対策
2、争族対策
⇒家族が相続で争わないようにする対策
3、納税対策
⇒相続税を払うお金を確保する対策
生命保険はこの3つの対策をすることが出来ます。
1、生命保険の活用~節税対策~
生命保険の死亡保険金を受けった場合、税金がかからない枠があります。
正確には下記のルールがあり、その範囲であれば相続税はかかりません。
生命保険金の非課税限度額=500万円×法定相続人
例えば・・・
夫・妻・子供2人で夫が亡くなった場合
*3人・・・妻・子供2人。法定相続人は3人
500万円×3人=1,500万円
つまり1,500万円までの死亡保険金を受け取っても相続税はかかりません。
逆に言うと1,500万円以上の保険金は相続税の対象になります。
*1,500万円を超えても基礎控除内なら相続税の対象になりません。
高齢だと保険に入れない?
でも高齢者の中には「年齢的に保険に入れないんじゃない?」と思う人もいると思います。
そこで保険商品には「一時払い終身保険」という商品があります。
「一時払い終身保険」は読んで字の如くで「一括で支払う一生涯続く生命保険」という商品です。
この保険商品は健康状態をほとんど問われないので、持病があっても入院歴があっても加入できる可能性が高い保険商品です。
また、加入できる年齢も85歳位まで加入できる保険会社が多いです。
その代わり、死亡保険金は預けたお金と同じ金額になります。
つまり
・加入時に預けるお金
・死亡した時にもらえる死亡保険金
が同じという仕組みです。
なので保険会社は、加入した人が死亡しても、預かったお金より多く死亡保険金を支払わらなくても済むので、健康状態をほとんど問われず加入が出来る仕組みになっています。
一時払い終身保険は意味あるの?
「死亡した時に、最初に支払った額しか戻ってこなかったら、何の意味があるの?」
と思うかもしれません。
「一時払い終身保険」のメリットは、上記の生命保険の非課税枠が使えるという点です。
また「終身保険」とは「一生涯保障が続く」と言う意味です。
そのため、一度加入すると「満期を迎えて保障が終わる」ということはありません。解約しない限り、90歳でも100歳でも一生涯、契約を続けることが出来ます。
つまり・・・
■銀行に預けてあるお金
⇒相続税の対象
■一時払い終身保険の死亡保険金
⇒相続税の対象にならない
(非課税枠の範囲内)
と言うことは、「銀行に預けておくと相続税の対象になるが、保険会社に預けると(=「一時払い終身保険に加入すると」)相続税がかからない」と言えます。
2、生命保険の活用~争族対策~
死亡保険に加入して、死亡保険金を受け取るのは必ず生前に指定した「死亡保険金受取人」です。
保険会社は、生前に指定していた「死亡保険金受取人」以外に死亡保険金を振り込むことは基本的にありません。
なので生前に「必ず財産を残してあげたい」という家族がいたら、その人を「死亡保険金受取人」に、一時払い終身保険などの生命保険に加入すれば、確実に財産を残すことが出来ます。
しかも、死亡保険金は「死亡保険金受取人」の「固有の財産」と言われ、基本的には他の相続人に分ける必要はありません。
つまり、「銀行に預けているお金は相続人で分ける必要があるが、そのお金を保険会社に預け替えれば、確実に相続させたい人にあげることが出来る」と言う訳です。
*遺留分を請求されない限り。
3、生命保険の活用~納税対策~
身内が亡くなり、相続が発生すると、亡くなった方の銀行口座は凍結されます。
つまり、本人がいないので簡単には引き出すことが困難になります。これは身内の中で1人が勝手に引き出してトラブルにならないようにするためです。
もちろん、一定の手続きを取れば引き出すことは出来ますが手間がかかります。
その間に、葬儀費用や、亡くなる直前まで入院していたらその入院費用の請求の支払が困難になることもあり得ます。
ただ、生命保険は亡くなったと同時に「死亡保険金」と言う形の現金を引き出すことが出来ます。
保険金はいつもらえる?
死亡保険金を請求するには下記の2つ書類が必要です。
■請求書
⇒死亡保険金受取人が記入
■医師の診断書(病気で亡くなった場合)
⇒主治医の先生
この2つの書類が保険会社に届いてから基本的には4営業日以内に振り込まれます。
生命保険で相続対策するデメリット
相続対策に生命保険を活用するメリットを解説しましたが、デメリットもあります。
一度、現金を一時払い終身保険に変えると、保険商品の性質上、短期での解約は元本割れになるものが多いです。
つまり、すぐに現金化がしづらいとうデメリットがあります。そのため、あくまでも余裕資金で活用しなければいけません。
ただ、最近の外貨商品や運用商品であれば、5年くらい預けるだけで解約しても元本割れしない可能性のある商品もあります。
管理人からひと言
生命保険は相続対策に非常に有効です。
ただ、保険に入りすぎても意味がない場合もありますし、同じお金を預けるにしても、「契約者を誰にするか?」「被保険者を誰にするか?」によって効果が変わる場合もあります。
相続対策は家族構成や資産内容、そもそも家族間の人間関係によって様々です。
生命保険で相続対策を検討する場合は相続に詳しい専門のFPに相談すのが良いでしょう。
また都内近郊であれば管理人がご面談の上、解説させて頂きますので気軽にご相談下さい。